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水星に類似した系外惑星

Posted by moonrainbow on 04.2022 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
水星に類似した系外惑星が2つ存在する惑星系を初めて発見 127光

5つの系外惑星
【▲ 5つの系外惑星がある惑星系の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ポルトガル天体物理・宇宙科学研究所(IA)のSusana Barrosさんを筆頭とする研究チームは、合計5つの太陽系外惑星がある惑星系を確認したとする研究成果を発表しました。5つの惑星のうち2つは水星との類似性が指摘されており、高密度な岩石惑星が形成される理由の解明につながることが期待されています

■5つの系外惑星を確認、そのうち3つは地球よりも軽い惑星

今回報告されたのは、南天の「レチクル座」の方向約127光年先にある恒星「HD 23472」を公転する5つの系外惑星「HD 23472 d」「HD 23472 e」「HD 23472 f」「HD 23472 b」「HD 23472 c」です(恒星からの距離順※)。本稿では以下「惑星d」のように表記します。

外側の惑星bと惑星cの2つは2019年に発見が報告されていたもので、内側の惑星d・惑星e・惑星fの3つは今回の研究チームが発見を報告しました。外側の3つは半径が地球よりも大きな岩石惑星、いわゆる「スーパーアース(Super Earth)」とされています。各惑星の公転周期・半径・質量は、以下のように発表されています。

●HD 23472 d
・公転周期…3.98日
・半径…地球の約0.75倍
・質量…地球の約0.55倍

●HD 23472 e
・公転周期…7.90日
・半径…地球の約0.82倍
・質量…地球の約0.72倍

●HD 23472 f
・公転周期…12.16日
・半径…地球の約1.14倍
・質量…地球の約0.77倍

●HD 23472 b
・公転周期…17.67日
・半径…地球の約2.00倍
・質量…地球の約8.32倍

●HD 23472 c
・公転周期…29.80日
・半径…地球の約1.87倍
・質量…地球の約3.41倍

親星である「HD 23472」は、太陽よりも少し小さなK型星です(半径は太陽の約0.71倍、質量は太陽の約0.67倍、表面温度は摂氏約4400度)。5つの惑星表面の平衡温度は摂氏約200~630度と推定されており、いずれも地球型の生命には厳しい高温とみられています。

※…系外惑星の名前は、恒星の名前に小文字のアルファベットを「b」から順に付与したものになっています。アルファベットは惑星が発見された順番や恒星からの距離に応じて付与されていきますが、同じ惑星系で後に新たな惑星が見つかってもすでに命名済みの名前は変更されません。必ずしも「アルファベットの順番=恒星からの距離順」とはならず、今回のように「惑星cよりも惑星dのほうが恒星に近い」こともあります


■水星形成の謎に迫る手がかりが得られるかも?

水星探査機「メッセンジャー」が撮影した水星
【▲ NASAの水星探査機「メッセンジャー」が撮影した水星(Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie)】

今回特に注目されているのは、内側にある惑星dと惑星eの2つです。研究チームが各惑星の平均密度や内部組成を推定したところ、惑星dと惑星eは鉄の含有量が高くて平均密度も高く(惑星dは7.5-3.1+3.9 g/cm3、惑星eは7.5-3.0+3.9 g/cm3)、質量の約45パーセントをコア(核)が占めている可能性が示されました。

太陽系には4つの岩石惑星がありますが、一番内側の水星は鉄やニッケルでできた大きなコアを持つことが知られています。研究チームによると、今回発見された惑星dや惑星eのような系外惑星は水星との類似性から「スーパーマーキュリー(Super-Mercury)」とも呼ばれており、これまでは「K2-229 b」をはじめ6つしか知られていなかったといいます。スーパーマーキュリーが同じ惑星系で2つ見つかったのは、今回が初めてです。

研究チームによれば、水星が大きなコアを持つ理由はまだわかっておらず、コアを包むマントルの一部が巨大衝突によって失われたか、あるいは高温によって蒸発した可能性が考えられるといいます。新たに見つかった2つのスーパーマーキュリーは、そんな水星形成の謎を解き明かす上での手がかりを与えてくれるかもしれません。研究に参加したカナリア天体物理学研究所(IAC)のAlejandro Suárezさんは「衝突がスーパーマーキュリーを形成する可能性はすでに大幅に低くなっています、同じ惑星系で2つの巨大衝突はあり得ないように思えますから」とコメントしています。

また、研究に参加したIACのJonay Gonzálezさんは、今回発見された系外惑星がどのように形成されたのかを理解する上で、その組成を詳しく知ることが欠かせないと指摘。ヨーロッパ南天天文台(ESO)が建設を進めている「欧州超大型望遠鏡(ELT)」を用いた、惑星の表面や大気の組成を調べるための将来の観測に期待を寄せています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech; NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie

2022-09-29
Soraeより

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