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太陽系全体を照らす謎の光「ゴーストライト」

Posted by moonrainbow on 17.2022 太陽系   0 comments   0 trackback
太陽系全体を照らす謎の光「ゴーストライト」の存在を確認。明るさの理由は不明

ゴーストライト

ハッブル宇宙望遠鏡が検出した太陽系を囲む謎の光
 
新たな研究によると、太陽系のある宇宙空間は不思議なほど明るいという。それは宇宙の暗さの中にある説明のつかない輝きだ。

 天文学者らは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した20万枚以上の画像を解析し、夜空に残る背景の輝きを突き止めようと何万回もの計測を行った。

 この光は、ぼんやりとした幽霊のようなものだが、光源となる星や天体をすべて合わせても、さらには塵によって散乱する太陽の光「黄道光(天球上の黄道に沿って太陽を中心に帯状に見える淡い光の帯)」まで考慮しても、その明るさを説明することができないという。

 それゆえに天文学者はそれを「ゴーストライト」と呼んでいる


暗い宇宙にあって太陽系だけ明るく照らされている謎
 
ゴーストライトの存在は、「SKYSURF」と呼ばれる国際的プロジェクトで20万枚におよぶハッブル望遠鏡の画像を分析し、数万回もの測定を繰り返したことで明らかになった。

 そうした画像から、惑星・恒星・黄道光といったあらゆる光源の光を取り除いても、相変わらず光っているのだ。

 その光は、空全体でホタル10匹分の明るさでしかない、ごくごく僅かな光だ。それでも重要だ。

 もしが部屋の灯りをすべて消しても、天井や壁がぼんやりと光っていたとしたら、おいそれとは無視できないだろう。

 それが宇宙で起きている。天文学者が何かを見逃していると考えるには十分な量だ。

 いったいなぜこの現象が起きているのか?太陽系の回りだけが明るい理由は現段階では明確な答えは出ていないが、いくつかの仮説はある


ゴーストライト1
太陽を中心に帯状に見える淡い光の帯「横道光」 / image credit:ESO/P. Horale

彗星から噴出した塵」など様々な仮説

1つの可能性として、宇宙をただよう塵がゴーストライトに関係しているのではと推測されている。

 その仮説によると、彗星から噴出した塵が内太陽系に「希薄な球のような構造」を作り出しており、それが太陽の光を反射しているというのだ。

 もしこれが正しければ、太陽系にはまだ知られていなかった構造があったということになる


ゴーストライト2
太陽系で輝く正体不明のゴーストライト。その分布が非常に滑らかであることから、無数にある彗星が光源である可能性が高い。そうした彗星はあらゆる方向から太陽に向けて落下し、熱で解けて塵を噴出させた。その塵が太陽の光を反射しているのかもしれない / image credit:NASA, ESA, Andi James/STScI

 この仮説は、NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」が検出したまた別の光によっても補強されている。

 現在太陽系から脱出するべく宇宙を旅するニュー・ホライズンズだが、その光のデータは、太陽から64億~80億キロの距離で計測された。

 もはや惑星間塵の汚染がない、惑星や小惑星が存在する領域の外側でなされたものだ。

 その光はさらに弱々しく、ハッブルが検出したものよりさらに遠くの光源であるらしい。

 だがはっきりした光源が説明できないという点では今回と同じで、「暗黒物質の崩壊」から「遠方にある未発見の銀河群」など、さまざまな仮説が提唱されている


ゴーストライト3
天球の黄道に沿って見える「黄道光」。写真は2021年3月1日に米ユタ州スカルバレーで撮影されたもの。光の一番上にはプレアデス星団があり、その下に火星も見える / image credit:ESO/P. Horalek

未発見だった太陽系の構造である可能性
 
だが、もしその分析が正しいのならば、ニュー・ホライズンズと地球との間にまた別の塵でできた構造があるということになる。

 そしてそれは、ゴーストライトの光源が太陽系の内部にあることも示唆しているという。

 米アリゾナ州立大学の天文学者ティム・カールトン氏は、それについてこう説明する。
私たちが測定した残留光はニュー・ホライズンズよりも高い値でした。そのため光は太陽系のはるか彼方からやってきたのではなく、局地的な現象だと考えられます。

これまで仮説が提唱されても定量的には測定されたことがない、太陽系の新しい構成要素かもしれません
 アリゾナ州立大学の天文学者ロジャー・ウィンドホースト氏は、「ハッブル宇宙望遠鏡の画像に映る光子は、その95%以上が地球から48億キロ内にあります」と語る。

 大抵の天文学者は星や銀河のような個別の天体に関心があるため、そうした宇宙をただよう光子(スカイフォトン)はあまり注目されてこなかったという。

 しかし、こうしたスカイフォトンには重要な情報が含まれている。微かな光でも正確に測定できるハッブル宇宙望遠鏡のおかげで、30年分にわたる観測データを調査できるのだそうだ


 一連の論文は、『The Astronomical Journal』(2022年9月15日付、2022年10月4日付)および『The Astrophysical Journal Letters』(2022年11月18日付)に掲載された。さらに4本目も『The Astronomical Journal』に投稿されている(こちらの未査読版は『arXiv』で閲覧できる)

2022年12月13日
カラパイアより

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