史上初の太陽系外惑星からの電波シグナルを検出か。それは51光年先からやってきた
うしかい座に位置する51光年先の星系から届いた電波シグナルは、もしかしたら太陽系の外にある惑星が放ったものかもしれない。本当にそうなら、史上初めて太陽系外惑星の電波が検出されたことになる。
研究の中心人物の1人である米コーネル大学のジェイク・D・ターナー博士は、「電波の領域で系外惑星を検出したらしき最初の手がかりを提示しました」と語る。
シグナルはうしかい座タウ星という連星と惑星でなる星系からやってきたという。電波シグナルの強さと偏光、ならびに惑星の磁場は、理論的に予測されたものと一致するといううしかい座タウ星のホット・ジュピターから電波シグナル ターナー博士らはオランダにある電波望遠鏡「LOFAR(Low Frequency Array)」で木星の電波シグナルを分析し、これを基準に40~100光年先にある木星型惑星を捜索。
100時間ほど観測を続けた末に、太陽系から51光年離れた「うしかい座タウ星」にあるホット・ジュピター(恒星の近くに位置する巨大なガス惑星)から放たれたらしき電波シグナルを発見した。
「かに座55番星」と「アンドロメダ座ウプシロン星」においても系外惑星の電波放射らしきものが観測されたが、有意な電波シグナルが検出されたのはうしかい座タウ星だけだったとのことだ。

image by:Jack Madden/Cornell University
惑星の磁場を観察するチャンス 電波シグナルは、惑星の磁場を調べるチャンスかもしれないという。これができれば、惑星の内部や大気の特性、恒星と惑星の相互作用といったことを分析できるようになる。
地球の場合、危険な太陽風から私たちを守っているのは、その磁場だ。もちろん同じことが系外惑星にも当てはまる。
「地球型の系外惑星の磁場は、居住可能性を高めてくれるかもしれません。その恒星からの太陽風や宇宙線によって大気が剥ぎ取られないよう守ってくれるからです」とターナー博士は説明する。
なお今回検出されたシグナルは微弱で、それが絶対確実に惑星から放たれたとまでは言えないとのこと。はっきり特定するには今後のさらなる調査が不可欠であるそうだ。
この研究は、『Astronomy & Astrophysics』(12月16日付)に掲載された。
2020年12月19日
カラパイアより