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銀河「2MASX J02301709+2836050

Posted by moonrainbow on 19.2023 銀河   0 comments   0 trackback
巨大ブラックホールに繰り返し削られる星

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スイフトJ0230の位置
米・ハワイのPanSTARRS望遠鏡で撮影された銀河「2MASX J02301709+2836050」の一時光線画像。白の破線は「ニール・ゲーレルス・スウィフト」で検出されたX線源「Swift J0230」の位置を正確範囲をこの銀河の中心からやや南東には、2020年に超新星「SN 2020rht」が出現している(黄色の円)。当初、Swift J0230はこの超新星とがあるのではないかとも考えられた(提供:Daniele B. Malesani / PanSTARRS)

巨大ブラックホールの周囲を巡る恒星が、約25日ごとに物質をはぎ取られて強いX線を放射現象するが受け止めた。1回の接近で奪われる質量は地球3個分に達する

2022年6月22日、NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」(以下「スウィフト」)がさんかく座の方向約5億2000万光年の距離にある銀河「2MASX J02301709+2836050」の中心近くでX線の突発的な増光を検出しました。 このX線源には「Swift J023017.0+283603」(以下Swift J0230)という名前が付けられ、ただちに追観測が行われました。

当初、Swift J0230は次第に減光すると予想されていたが、追跡観測の結果、この天体は7~10日間にわたって明るいX線を放射し続け、その後突然消えるというふるまいを約25日ごとに訪れることが分かりました。

このような現象は過去にも観測例があり、「準周期性爆発」QPE)」や「周期性中心核突発現象(periodic Nuclear transient; QPEは増光が数時間続く現象で、数十万~数百万太陽質量の超大質量ブラックホール(SMBH)の周辺を公転する白色矮星物質が周期的にはぎ取られてブラックホールに落ち込んで、X線が放射されるものと考えられている。は数千万~数億太陽質量のSMBHの周囲を公転する普通の恒星が、繰り返し物質をはぎ取られる現象だと推定されている。

Swift J0230を検出した英・レスター大学のフィル・エヴァンスさんを中心とする研究チームは、今回の規則的な増光現象はQPEとPNTの中間的な性質を持っていて、この2種類の現象の間をつなぐ「ミッシングリンク」というべき新現象を考えているのだろうか


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スイフト J0230の増光
スウィフトのX線望遠鏡で撮影されたSwift J0230付近。左が増光前、右がX線で増光が見られる期間(提供:Phil Evans (University of Leicester) / NASA Swift)

エヴァンスさん達QPEとPNTのモデルを使って解析を行い、Swist J0230は太陽と同程度の質量を持つ恒星が、銀河中心にあるSMBHの周囲を楕円軌道で公転しているのだと結論づけた恒星がブラックホールに少したびに、地球質量の約3倍の物質が恒星の大気からはぎ取られ、ブラックホールに遠慮しながら加熱される。が放射されるというのだ。

研究解析チームでは、このブラックホールの質量は約20万太陽質量かそれ以上と推定されていて、銀河中心のSMBHとしてはかなり小さい。私たちの天の川銀河の中心ブラックホールは約400万太陽質量、典型的なSMBHの質量は数億太陽質量だ。

「今回の発見は、太陽に似た恒星が、比較的小さなSMBHに繰り返し物質をはぎ取られて飲み込まれつつある現象を初めて考えたものです。いわば『反復型の部分潮汐破壊』というべきもので、これまでに知られている2種類の現象は、数時間おきに発生するか、または年単位の周期を持つもので、今回の現象はこの中に相当します。計算すると、する天体のタイプもちょうどこれらの現象の間を眺めるようなものであることがわかります」(エヴァンスさん)関連。

エヴァンスさん達スウィフトのデータからX線の突発現象を次々で検出する新たなシステムを開発し、今回のSwift J0230がこのシステムでの初の検出となった。

「このタイプの天体は、私たちがこの新しいシステムを開発するまで、本質的に不可能なものでした。新システムの運用を始めてすぐに今回の現象が見つかりました。スウィフトは20年近く「運用されていますが、今回突然、全く新たな現象が起きません。宇宙を見る新しい方法を見つければ、必ず新しい未知のものを見つけられる、ということを示す結果だと考えています」エヴァンスさん)


Black Hole Snack Attack


解説動画「ブラックホール・スナック・アタック」(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

2023年9月15日
カラパイアより

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