fc2ブログ

ケスラー‐シンドローム(Kessler syndrome)

Posted by moonrainbow on 15.2023 地球   0 comments   0 trackback
大型宇宙ごみが危うく正面衝突 懸念される衝突の連鎖「ケスラーシンドローム」

20231010-00066554-forbes-000-2-view.jpg
Getty Images

2023年9月、2つの大型スペースデブリ(宇宙ごみ)が、私たちの頭上にある低周回軌道で危うく衝突しかけた

「エネルギーに関して最悪のシナリオである、正面衝突になりかねないコースだった」とハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターの天文学者で、軌道周回物体監視の専門家であるジョナサン・マクダウェルは、X(旧Twitter)にポストした。

軌道モニタリングとデータ構築を手がける企業LeoLabs(レオラブス)は、ソビエト連邦時代のロシアの廃衛星と、中国の使用済みロケット機体が、9月13日にニアミスを起こしたと発表した。

「危機一髪の瞬間はこれまでにもあったが、今回のニアミスは特筆に値する」と、同社はXのポストで述べた。「2つのデブリが衝突した場合、生じる破片の数は約3000個に達しただろう」


これは、2021年11月にロシアが行なった、ミサイルによる衛星破壊(ASAT)のデモンストレーションによって生じた破片数の約2倍に相当する。当時ロシアの行動は国際社会から一様に批判を浴び、低周回軌道の歴史上最も重大かつ破壊的な事象の1つとされた。

今回のニアミスに関与したロシアの衛星「コスモス807」は、1976年に打ち上げられたもので、搭載物重量は400kg。レオラブスによれば、この衛星は近年、稼働中の衛星やスペースデブリ(ロシアのASATテストで生じた少なくとも6つの破片を含む)との衝突が懸念される低軌道で地球を周回している。

一方、重量2トンの中国の使用済みロケット、長征4号(CZ-4C)も、過去5年にわたって同様の状態にあり、レオラブスが「高衝突確率」と定義する接近事象に140回以上も名を連ねている。

「今回の事象は、古い廃棄物と新しい廃棄物の遭遇という近年のトレンドを象徴するものだ」と、レオラブスは述べる。「大型デブリ同士の衝突がいずれ起こることは不可避であり、これにより数千の破片が発生し、現在我々が利用している衛星に影響を及ぼすことへの懸念が、改めて浮き彫りになった」


■上空のハイウェ

低周回軌道と呼ばれる3次元空間は広大だ。地球の表面積や、航空機の飛行可能領域を桁違いに上回るほど広いものの、それらとは異質な環境であり、また近年、急速に混み合いつつある。

黎明期にある民間宇宙開発をけん引するスペースXのスターリンク衛星群を筆頭に、ここ数十年で、低周回軌道上にある衛星などの物体の数は爆発的に増加した。国連のデータによれば、1957年から2014年までの間に宇宙に打ち上げられた物体の数は7000個強だったが、2014年以降の8年間でさらに7000個が追加された。すなわち、宇宙空間にある物体の過半数は、過去10年以内に打ち上げられたものなのだ。

軌道上の物体は、空気抵抗がないため、秒速約8kmで地球を周回する。膨大な運動エネルギーを持っているため、万一衝突した際には膨大な破壊力がある。

廃棄された物体同士のニアミスが憂慮されるのは、こうした事情からだ。数千個のスターリンクを含む、稼働中の衛星であれば、少なくとも地上から操作して衝突回避を試みることができる。しかし廃衛星の場合、すべては運任せだ。これまで事実上無規制だった低周回軌道において、大規模衝突が起こる可能性は日に日に高まっている


■懸念すべき理由

こうしたリスクは身近に感じられるものではないし、私たちの日常生活にこれといった影響はなさそうに思える。実際、おおむねその通りだ。けれども、最悪の事態に至った場合は、日常生活のほぼすべての側面に支障をきたすことになる。

軌道モニタリングを行なう多くの専門家が恐れるのは、ケスラーシンドロームと呼ばれる架空のシナリオだ。これは、地球周回軌道上のスペースデブリの密度がある限界を超えると、衝突・破壊の連鎖によって宇宙ごみが爆発的に増え、宇宙開発を行えなくなるというものだ。

衝突のドミノ効果により、最終的にはすべての衛星が破壊され、それらの修理・交換もできないほど宇宙空間が危険な場所になってしまう可能性があるわけだ。そうなれば、現代のグローバル社会を支える、衛星間のリレーやルーティングによる即時的なデータの送受信が一瞬にして、半世紀以上も昔の技術水準に逆戻りしかねない


もちろん、このシナリオは架空のものだ。破滅的な影響を緩和するさまざまな方法が、今まさに検討されている。だが、衝突の連鎖が明日始まったら、あるいは、(考えるのも嫌な可能性だが)ロシアが行なったASATによって、そうした連鎖が2021年にすでに引き金が引かれていたとしたら、どうだろうか。システムが危機を回避するためにどれだけの冗長性が必要なのかも定かではない。

不幸中の幸いは、低周回軌道が「低い」ことだ。つまり、今私たちが宇宙に打ち上げている物体は、最終的には地球の大気圏に再突入し、燃え尽きて自動的に処理される。スペースデブリ問題のエレガントな解決策というわけだ(2007年以降は、高度約2000km以下の低周回軌道衛星の場合、運用終了から25年以内に大気圏への再突入・落下が行なわれるよう考慮して運用が行なわれている)。

それでも、低周回軌道の渋滞がますます悪化しつつあり、誰も交通整理をしていないという現状から、目を背け続けることはできない


2023年10月10日
Forbes JAPANより

  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://earth38moon.blog115.fc2.com/tb.php/12981-8fa2ad08

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード