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恒星系「トラピスト1(Trappist-1)」

Posted by moonrainbow on 22.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
「太陽系2.0」トラピスト1の岩石惑星 ウェッブ望遠鏡による観測結果

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みずがめ座にある恒星系トラピスト1にある惑星「トラピスト1f」の表面の様子を描いた想像図(NASA/JPL-Caltech)

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トラピスト1恒星系(中央)と太陽系(下)、木星とその大型衛星(上)との比較イラスト。太陽よりはるかに小さい赤色矮星トラピスト1を公転する7惑星の軌道は、水星の軌道内に容易に収まる(NASA/JPL-Caltech)

「太陽系2.0」とのニックネームがつけられている恒星系「トラピスト1(Trappist-1)」は、惑星科学者たちを魅了している。この恒星系では、地球からわずか39光年の距離にある1つの恒星を、7つの惑星が公転。太陽系とあらゆる点で同じというわけではなく、主星は太陽よりはるかに温度が低い赤色矮星(わいせい)だが、7つの惑星は全てが岩石質、地球サイズと、少なくともいくつかの点で地球に類似している

米航空宇宙局(NASA)は2017年、スピッツァー赤外線宇宙望遠鏡でトラピスト1を観測した結果、単一の星のハビタブルゾーン(生命生存可能領域)内で最も多くの地球サイズの惑星が見つかったと発表した。

惑星のどれもが実際に地球に似ているかどうかは不明だが、系外惑星研究者らは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって、これらの惑星を取り巻く大気が存在するかどうかが判明するのを待っていた。最も調査しやすい惑星は、主星に最も近く、最も高温で明るい「トラピスト1b」だ


今年5月には、JWSTに搭載のMIRI(中赤外線観測装置)を使ったトラピスト1bの調査が実施されていた。そしてこの度、JWSTのNIRISS(近赤外撮像分光器)を用いた調査結果が発表された。NIRISSは、恒星からの白色光を虹のような色成分に分解する装置だ

■大気は確認されず

学術誌The Astrophysical Journal Lettersに掲載された論文によると、トラピスト1bに大気が存在することを示すものは確認されなかった。米ミシガン大学の天文学者で、NASAセーガン・フェローのライアン・マクドナルドはプレスリリースで「これによりトラピスト1bは、大気のない岩石か、大気圏の高い位置に雲があるか、あるいは、大気が二酸化炭素のように非常に重い分子でできていて、希薄すぎて検出できないかの可能性があることがわかる」と述べている。「だが、実際に断定できるのは、間違いなく主星が今回の観測結果を左右する最大の影響を及ぼしており、この系の他の惑星にも全く同じ影響が及ぶことだ」

検出された「大気の信号」は「ゴースト」だった
これは良い知らせではないが、特に悪いというわけでもない。39光年先からの大気の信号を見つけるのは簡単ではないため、初期の研究では、トラピスト1系にある惑星の観測に主星がどのような影響を及ぼすかを知ることに重点を置いている。「今のうちに主星の取り扱い方法を考えておかなければ、ハビタブルゾーンにある惑星のトラピスト1d、e、fを調査する際に、大気の信号を確認するのが非常に難しくなる」と、マクドナルドは指摘する。恒星のハビタブルゾーンは理論上、惑星の表面に液体の水が存在できる範囲とされる


■「ゴースト信号

トラピスト1を公転する惑星の存在は、惑星が主星の前を横切る際にしか確認できない。今回の研究では、透過分光法と呼ばれる技術を使用し、トラピスト1bの大気を通過した主星の光をJWSTのNIRISSで分解した。この光には、惑星の大気中に含まれる分子や原子の痕跡があった。

だが、この痕跡は実際には、星の光に見られる多数の「ゴースト信号」だった。これは主星自体の黒点や白斑(はくはん)に由来するものと思われた。このデータは、今後の研究で、トラピスト1系の惑星の大気中に特定の分子を検出したと早合点するのを防ぐことに役立つかもしれない


■フレア現象

トラピスト1系と太陽系との大きな違いは、その主星だろう。トラピスト1は、太陽類似星よりもはるかに一般的な恒星である赤色矮星だ。トラピスト1bは、地球が太陽から受ける放射の4倍のエネルギーを受けており、表面温度が120~220度に達していることを、研究チームは明らかにした。なので、ハビタブルゾーン内には存在していない。赤色矮星は、太陽に比べて挙動が予測しにくく、このことが生命体に影響を与えることも考えられる。

研究を主導した、カナダ・モントリオール大学トロティエ太陽系外惑星研究所のオリビア・リムは「今回の観測では、恒星フレアが確認された。これは予測不可能な現象で、発生時には主星が数分から数時間の間、増光するように見える」と話す。「フレアは、惑星によって遮られる光の量の測定に影響を及ぼした。データの正しい解釈を確実にするには、フレアの影響を考慮する必要がある」


■希薄な大気が存在?

トラピスト1bでは大気が検出されなかったが、今回の研究では、おそらく水、二酸化炭素やメタンでできたと考えられる薄い大気が存在する可能性を排除できなかった。さらに、土星の巨大衛星タイタンに似た大気がある可能性も排除できなかった。タイタンは太陽系で唯一、分厚い大気を持つ衛星で、大気圧は地球の約1.5倍だ

■トラピスト1について

最初に発見されたのは1999年だが、2016年に3つの惑星を発見した科学者らが使用したチリのラ・シヤ天文台にある望遠鏡「TRAPPIST(TRAnsiting Planets and PlanetesImals Small Telescope)」にちなみ、トラピスト1系と命名された。翌17年には、スピッツァー宇宙望遠鏡による1000時間以上の観測が実施され、惑星7つとその質量、半径、密度が明らかになった。惑星は全て岩石質で、地球サイズの天体だった

2023年10月17日
Forbes JAPANより

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