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木星型巨大ガス惑星「WASP-17 b」

Posted by moonrainbow on 28.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
「水晶の雲」を持つホットジュピター発見、ウェッブ宇宙望遠鏡による観測

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灼熱の巨大ガス惑星(ホットジュピター)「WASP-17 b」の観測データに基づく想像図(NASA, ESA, CSA, and R. Crawford (STScI))

地球から1300光年の距離にある太陽系外惑星で、ホットジュピターと呼ばれる木星型巨大ガス惑星「WASP-17 b」の高層にある雲に、石英(水晶、二酸化ケイ素[SiO2]結晶)が含まれている証拠が、米航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた観測で発見された。地球上では一般的なこの鉱物が系外惑星で見つかったのは、JWSTのMIRI(中赤外線観測装置)による今回の観測が初めてだ

ケイ素と酸素が豊富に含まれるケイ酸塩鉱物は、地球や月に加え、太陽系にある他の岩石天体の大部分を構成している。かんらん石や輝石などのマグネシウムに富むケイ酸塩は、隕石や小惑星に多く含まれており、銀河系全域にある塵(固体微粒子)の雲や、系外惑星や褐色矮星の大気中などで検出されているが、純粋な結晶形態のSiO2である石英はこれまで見つかっていなかった。

今回の研究をまとめた論文の筆頭執筆者で、英ブリストル大学の研究者デービッド・グラントは「私たちはワクワクした!」と話す。「ハッブル宇宙望遠鏡の観測から、WASP-17 bの大気中にエアロゾル(雲や靄を形成している微粒子)が存在するに違いないことはわかっていたが、それが石英でできているとは誰も予想していなかった」

体積が木星の7倍以上で、質量が木星の2分の1足らずのWASP-17 bは、現在知られている最大級かつ最も低密度な系外惑星の1つだ。さらに、公転周期がわずか3.7日と短いため、透過分光法による観測に適した惑星となっている。これは、惑星大気が星の光に及ぼすフィルター効果と散乱効果を測定する観測技術だ。

惑星大気中で主星の光を遮っているのは「石英」の雲
ウェッブ望遠鏡はWASP-17恒星系を10時間近く観測し、惑星が主星の前を横切る際に、波長5~12ミクロンの中赤外光の光度測定値を1275回以上収集した。惑星が主星の前にある間に望遠鏡に届いた個々の波長の光の光度を、主星が単独の時の光度から差し引くことで、惑星大気で遮られる各波長の光の量を算出できた。

その結果、波長8.6ミクロンに予想外の「こぶ」が現れた。この特徴は、雲がケイ酸マグネシウムや、その他の考えられる高温エアロゾル(酸化アルミニウムなど)でできているとして予想されるものではなく、石英でできているとすれば完全に理解できる。

この石英は、地球のジオード(晶洞)内や宝石店で見られる先端のとがった六角柱に形が似ているかもしれないが、1つ1つの直径はわずか約10ナノメートル(100万分の1cm)だ。

地球上の雲に含まれる鉱物粒子とは異なり、WASP-17 bの雲の中で検出された石英結晶は、岩石質の表面から吹き上げられたものではない。大気自体に由来するものだ。

「WASP-17 bは、約1500度と極めて高温で、大気上層部で石英結晶が形成される領域の圧力は、地球表面の圧力の約1000分の1しかない」と、グラントは説明する。「このような条件では、最初に液相を経ることなく、気体から直接、固体結晶が形成される可能性がある」

平均表面温度がより低い地球では、同じ物理過程に基づき、水蒸気が直接、氷晶(氷の結晶)に変化し、雪片や霜を形成する可能性がある


論文の共同執筆者で、同じくブリストル大のハンナ・ウェイクフォードは「この美しいシリカ結晶は、さまざまな物質の何がどれだけの量存在して、それらすべてがどのように集まってこの惑星の環境を形作っているかを、私たちに教えてくれる」と説明した


ダイヤの雨に鉄の雪も、さまざまな惑星の物質循環

雲が何でできているかを把握することは、惑星を全体として理解するために非常に重要だ。WASP-17 bは潮汐ロックの状態にあり、常に一方の半球面を主星の方向に向けている。それにより、非常に高温の昼の側と、より低温の夜の側ができることで、惑星の周囲に石英の雲の連続的な発生を促している可能性が高い。

WASP-17 bの夜の側では、気温がSiO2の融点より下がるため、水晶でできた雲が形成される。昼と夜の2つの半球の間の極端な温度差によって引き起こされる強風で、水晶が夜側からより高温の昼側に運ばれ、そこで再び蒸発する。

今回の発見は、惑星大気中に結晶体からなる雲が存在する可能性を高めている。

海王星や天王星の物理的状態と化学組成についてわかっていることに基づき、巨大氷惑星の下層ではダイヤモンド結晶の雨が激しく降り続いているとする説を、研究者らは提唱している。

コンピュータシミュレーションに基づくと、みずがめ座にある橙色矮星(K型主系列星)の主星に近い軌道を公転する地球サイズの系外惑星「K2-141 b」は、マグマの海に覆われ、鉄やナトリウム、マグネシウム、カリウムなどの結晶でできた「雪片」が空から降っている可能性が高い。

今回の研究をまとめた論文「JWST-TST DREAMS: Quartz Clouds in the Atmosphere of WASP-17b」は、学術誌The Astrophysical Journal Lettersに2023年10月16日付で掲載された。追加資料とインタビューは、Laura BetzとChristine PulliamがNASAのサイトnasa.govに掲載したものだ


2023年10月23日
Forbes JAPANより

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