「最も地球に似た」太陽系外惑星を発見National Geographicによると
2009年4月22日(水) 18時40分配信
グリーゼ581 (Gliese 581)という恒星の周りを公転する太陽系外惑星
グリーゼ581dには、天文学者が当初予測していた以上に、地球との共通点が多いようだ。

2009年4月、天文学者チームがグリーゼ581eという太陽系外惑星を発見したと発表した。このグリーゼ581e(画像手前)は、赤色矮星の周りを公転する4つの惑星のうちの1つであり、その質量は地球の2倍弱と、これまでに発見された太陽系外惑星の中で最も小さい。
(Image courtesy ESO/L. Cal?ada)
スイス、ジュネーブ大学の天文学者ミシェル・マイヨール氏は、グリーゼ581dの公転軌道を測定し直した結果として
、この惑星が液体の水や生命体が存在し得る条件を満たしていると見てほぼ間違いないと発表した。 マイヨール氏は、今週イギリスのハートフォードシャー大学で開催されている学会(European Week of Astronomy and Space Science)で、「グリーゼ581dは
ハビタブルゾーン(生命住居可能領域)の中にあり、表面部には海が存在する可能性がある」と語った。 2007年に発見されたグリーゼ581dは当初、軌道が中心星から遠く離れているため非常に寒冷な環境にあり、海は存在し得ないと推測されていた。
だが、マイヨール氏らは新たな研究によって、
グリーゼ581dが66.8日の周期で公転しており、低温度星のハビタブルゾーンに属しているという結論に至った。 それと共に、グリーゼ581の惑星系で4番目となる新たな惑星を発見したことも明らかにした。グリーゼ581eと命名されたこの惑星は質量が地球の約2倍と、これまでに知られている太陽系外惑星の中では最も小さく、惑星系内で最も内側の軌道上をおよそ3.15日の周期で公転しているという。
スコットランドにあるセント・アンドリューズ大学の天文学者アンドリュー・コリアー・キャメロン氏は、「これまで最も軽量だった太陽系外惑星でも、地球の約5倍の質量を持っていた。グリーゼ581eはその半分以下だ」と話す。
グリーゼ581はてんびん座の方向にある赤色矮星で、地球とはおよそ20.5光年離れている。 イギリスのミルトン・ケインズ市にあるオープン大学の天文学者キャロル・ハズウェル氏は、「現在知られている太陽系外惑星系を太陽系に近いものから順に並べると、グリーゼ581の惑星系は87番目に位置しており、天文学的な視点からすれば太陽系の近隣にあるといえる」と話す。
ただ、これらの惑星が地球から直接観測できるほど近くにあるわけでもない。マイヨール氏らがグリーゼ581dを初めて発見したのも、南米チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)のラ・シヤ天文台の望遠鏡を使って、中心星の動きの中に見られるわずかな揺れを観測したのがきっかけだった。
一方、グリーゼ581dに比べ大きさも質量も小さいグリーゼ581eについて、オープン大学の天文学者アンドリュー・ノートン氏はこう推測する。「おそらくグリーゼ581eの環境にも、地球との共通点がいくつかあるだろう。ただ、グリーゼ581eは中心星との距離が非常に短いため、地球に比べると地表の温度ははるかに高いと予想される」。
ノートン氏の同僚であるハズウェル氏がそれに続けてこう語る。「地球に似た環境を持つ惑星として非常に有望な候補が、
地球にこれほど近い場所で発見されたことに、期待は大きく膨らんでいる。というのも、今後さらに探索を続ければ、このような惑星がまだまだ発見される可能性があるからだ」。
そして、地球に似た環境を持つ惑星が多ければ多いほど、生命が存在する惑星を発見できる可能性も高くなる。
「もはやそれは時間の問題だと思う。
この宇宙のどこかに生命が実在するのだとすれば、今後10~15年以内には、太陽系外惑星のスペクトル分析を通じて、その有力な証拠をつかむことができるだろう」とノートン氏は話した。Kate Ravilious for National Geographic News
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グリーゼ581。。。。。。
グリーゼ581 (Gliese 581) は、太陽系から約20.40光年離れたM2.5V型の赤色矮星である。1863年にBD-07°4003として、フリードリヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダーによって出版されたBD catalogueで初めて知られる。ドイツの天文学者、ウィリアム・グリーゼ (Wilhelm Gliese) にちなんで名づけられた。
2009年現在、地球の2倍~海王星程度の質量を持つ惑星が4個発見されている。
グリーゼ581b 地球の17倍の重さ。
グリーゼ581c グリーゼ581cは、太陽系から約20光年離れた、赤色矮星グリーゼ581の周囲を公転する太陽系外惑星。この星系の惑星としては2番目に発見され、内側から数えても第2惑星にあたる。
発見時は、ハビタブルゾーン内の軌道を持つ可能性が高く、生命が存在する事が可能な表面温度(推定0~40 ℃(32~104 °FF))を持つ岩石型の惑星(地球型惑星)と期待されていた。しかし、2007年12月にドイツとフランスの研究グループが独立に発表した2つの論文によると、ハビタブルゾーンより主星に近いところを公転していることが判明した。 その後2008年には、仮にこの惑星の表面が75%以上の水の雲に覆われているならば、表面には液体の水が存在できる、とする論文が発表された。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計や将来の大型天文装置によって、この星の詳細な分光観測やイメージングが可能になるかもしれない。
現在の無人探査機で到達しようとすると30万年程度の期間が必要になる。グリーゼ581cが地球と同じような組成で出来ていると仮定した場合、直径は地球の約1.5倍、表面の重力は地球の2.2倍と推定される。
また惑星質量が地球の5倍以上と、太陽系の地球型惑星と比較してやや大きい為、グリーゼ876dと同じくスーパーアース(Super Earth; 巨大地球型惑星)に分類される。
グリーゼ581d 地球の約8倍の重さで、周期は84日。楕円軌道で公転しているが、近星点ではハビタブルゾーン内を通過している。
グリーゼ581d(Gliese 581d)は赤色矮星グリーゼ581を公転する惑星の1つである。グリーゼ581星系の中では第3惑星にあたり、近星点付近ではハビタブルゾーン内を通過している可能性がある。質量は地球の約8倍、公転周期は84日。太陽系(地球)からはてんびん座の方向に約20光年離れている。
発見当初は、3つある惑星の内ハビタブルゾーン内を公転しているのはグリーゼ581dの1つ内側を公転しているグリーゼ581cと思われていたが、その後のフランスとドイツの研究グループが独自に発表した2つの論文によると、ハビタブルゾーンの外側(主星側)を公転していることが判明した。一方で、グリーゼ581dの方がハビタブルゾーン内を公転してる可能性を示唆した。この惑星は離心率が0.12の楕円軌道で公転してるが、2008年には、遠星点ではハビタブルゾーンの外側に出てしまうが、近星点付近ではハビタブルゾーン内を通過する、という論文が出された。
この惑星はいわゆるスーパーアース(巨大地球型惑星)に属するものであり、今後の地球外生命探査を行うための重要な惑星の1つとなる。しかし、現在の観測技術ではこの惑星を直接観測することは困難であり、また
現在の探査機でこの星に行くのに10万年以上かかってしまうため現実的に行くのは非常に困難である。グリーゼ581e 地球の2倍の重さ。2009年現在確認されている太陽系外惑星の中では最小の質量。公転周期3.15日。

グリーゼ581の惑星系
