超巨星欧州南天文台(ESO)のVLT望遠鏡を用いた2つの研究チームの合同研究により、オリオン座の一等星
「ベテルギウス」の過去最高画質の撮像画像が取得された。
画像によると、外層が吹き出すガスの拡散域が、我々の太陽系外縁まで達するほどの広さである。
ベテルギウスは最も大きな恒星の一つとして有名であり、
太陽のざっと1000倍の大きさと、10万倍の輝きを発している。恒星の寿命としては末期にあり、
もし超新星爆発を起こせば、地球でも昼間に見ることができるとされている。
下の画像はオリオン座(左)、ベテルギウス(中央)、今回取得されたベテルギウス(右)。

続きは、、、
超巨星とは:超巨星は、太陽よりはるかに大きく明るい恒星のこと。
明るさは青色超巨星の場合は太陽の1万倍(全エネルギー放射で太陽の10万倍)以上、直径は太陽の数十倍以上、
赤色超巨星の明るさ太陽の数千倍(同3万倍)以上、直径では太陽の数百倍以上はある。
現在確認されている最も巨大な恒星は直径は青色超巨星で太陽の数十倍以上、おおいぬ座VY星で太陽の1950倍(太陽系軌道に置き換えると土星軌道を越える)である。
赤色超巨星のメカニズムは、まだよくわかっていない部分がいくつかあります。
大規模な質量放出もそのひとつで、太陽1つ分のガスを1万年の間にまき散らしています。この割合は、宇宙の時間で言えば高いレートである。
下の写真は、VLTで取得されたベテルギウスの画像。
解像度は最新技術により、国際宇宙ステーションにあるテニスボールを地上から認識するほどのものを達成しているという。

下の写真は、今回得られた成果で描かれた模式図に、太陽系のスケールを被せたもの。流れ出すガスの端は、海王星(Neptune)軌道の外にまで達するレベルです。ーー30AU(天文単位)

ベテルギウスの外層全体が全方向へ一様に物質を放出しているわけではないことは明らかです。この非対称性の理由としては2つの可能性が考えられるといい、ひとつは質量放出が恐らく自転のために極域に集中しているということと、もうひとつは放出が恒星内部の対流の大規模運動が関係しているのでは。
【ESO 2009.07.29】による