星形成のユニークなプロセス

Posted by moonrainbow on 17.2015 宇宙   0 comments   0 trackback
巨大楕円銀河に見られる星形成の自己制御サイクル

楕円銀河「MAC J1931」と「MAC J1532」
(上段)HSTが遠紫外線で観測した楕円銀河「MAC J1931」と「MAC J1532」中心のガスの密度、(下段)コンピュータシミュレーションの結果(提供:NASA/ESA/M. Donahue/Y. Li) .

巨大楕円銀河の中心のブラックホールから噴出するジェットに沿った、高温で青い星の集団がとらえられ、ブラックホールとジェット、星々とが織りなす、星形成のユニークなプロセスが明らかになりました

一般的に楕円銀河では、新しい星の形成があまり活発ではないのです。星の材料となるガスが大量にあったとしてもです。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)をはじめとする天文衛星や地上の望遠鏡を用いた観測とシミュレーションの結果から、楕円銀河の中心のブラックホールとそこから噴出するジェットが星形成をコントロールしている様子が見えてきました

米・ミシガン大学のMegan Donahueさんらの研究チームは遠方の楕円銀河を観測し、一部の銀河で星形成が起こっている様子をとらえました。また米・エール大学のGrant Tremblayさんらの研究チームは、中心で星が誕生している近傍の楕円銀河を観測しました。いずれの場合も、星形成はフィラメント状や塊状の分布が見られました

楕円銀河の中心のブラックホールから噴出するジェットに沿って新しく生まれた星が分布していることから、これらの間には関連があるとみられています

さらに、ブラックホールとジェット、新しく誕生した星は、全体で一つの「自己制御」サイクルを作り上げているようです。ジェットの活動によってガスが銀河の外のほうへと運ばれると、一部のガスが冷えて星が生まれ、残りのガスは暖められます。このとき、冷えすぎるとジェットがより強力になるため温度が上がって星形成が弱くなり、ジェットが強くなりすぎるとブラックホールに落ちてエネルギーを生み出すガスが減るために温度が下がります。こうしたサイクルのバランスによって、楕円銀河で爆発的な星形成は起こらないということのようです

2015年8月11日
Astro Artsより

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