予測される火星の生息可能な生命体

Posted by moonrainbow on 23.2015 火星   0 comments   0 trackback
予測される火星の生息可能な生命体

火星の生物1

NASAが火星に液体の水が存在する直接的な証拠を手に入れたと発表し、地球外生命体の発見がにわかに期待されることになりましたが、タコ型や爬虫類型、グレイめいた宇宙人に思いを馳せるにはまだ早そうです。火星は大気が薄く凍てつく惑星であることは確かなのですから

火星に潜んでいる生命とは実際のところどのようなものだろうか?

 仮に火星に生命が存在するのだとしたら、それはほぼ間違いなく微生物でしょうが、それ以上のことは実際に発見してみるまでは分からないです。そこで、地球上の極限環境に生きる生物と照らし合わせながら、その姿を推測してみます

寒さや塩分に強い生命

 NASAが発表した火星表面を断続的に液体の水が流れている「これまでで最も確かな証拠」とは、分光分析によって発見された火星クレーターの壁に筋状に残っていた過塩素酸塩です

 氷点下で水の凍結を防ぐ最も確実な方法は、水に塩を溶かすことです。塩素と酸素が様々な原子に結びついている過塩素酸塩は、これに強力な力を発揮します。ある種の過塩素酸塩は、-70℃でも水を液体のまま保つことができるのです

火星の生物2
火星のガルニクレーターの壁に伸びる筋。火星に現在も残る液体の水の確かな証拠とされている

 クレーターの壁を水が流れるとき、薄い大気の中に蒸発し、そこに塩が筋状に堆積します。その水が地下層から流れ出てきたものなのか、あるいは過塩素酸塩が大気中から水蒸気を文字通り引っ張り出したものなのか、それは今後の調査を待たねばなりません

 しかし、こうした塩水が生命にとっては過酷すぎる可能性があることを忘れるわけにはいかないのです。地球の南極にはドンファン湖という、この惑星で最も塩分濃度の高い水体がありますが、火星のそれはこのドンファン湖の塩化カルシウムブラインよりも濃度が高いのです

 研究者たちは長年地球上の好塩性かつ好冷性の細菌を調査してきました。最近、塩分濃度の高い南極の湖や氷河に挟まれた水脈の中で好冷好塩菌(psychrohalophile)が発見されました。これらの生物は細胞分裂なら-12℃、基礎代謝機能なら-20℃程度まで耐えられると推測されていますが、詳しい限界についてはまだ明らかにされていないのです。サイクロモナス・イングラハミー(Psychromonas ingrahamii)という微生物は気温-12℃、塩分濃度最大20%の環境で成長することができます

火星の生物3
南極ヴィーダ湖の冷たく塩分濃度の高い運河で発見された細菌性細胞の電子顕微鏡写真

 こうした生物は一体どのようにして過酷な環境に適応しているのだろうか? 好塩菌は、塩を盛られたナメクジのように縮んでしまうことを避けるために、積極的に塩を細胞に取り入れます。こうすることで内部に浸透勾配を作り、水分が細胞内に流れ込むようになります。これはまた細胞が凍りつくことも防ぎ、代謝を可能にするのです

 こうした塩分バランスの他に、好冷菌の場合は別の適応機能を持っています。好冷菌の細胞膜は、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸が豊富です。オリーブ油とバターのようなものです。脂肪を出入りする別の輸送タンパク質も含んでいます。また、酵素も暖かい場所の生物より柔軟な構造をしています。中には不凍化タンパク質を作り、細胞内で氷の形成を防ぐ微生物まで存在します

火星の生物8
※画像クリックで拡大表示

 極め付けは、好冷好塩菌が膨大な「モバイルDNA成分」を有していることです。寒冷環境に適応するための特性をコード化している遺伝子は、微生物同士で交換することができます。仮にあなたが南極で発見された好冷好塩菌だったとして、生存に不可欠な特定のタンパク質がなくて困っていたら、近所の細菌から遺伝子の設計図を分けて貰えばいいのです

毒物に溢れ、放射線が降り注ぐ不毛の地

 地球上に存在する好冷好塩菌の適応能力は、火星の微生物のヒントになるでしょう。しかし、それ以外にもあらゆる生命にとっての大問題が残っています。それは火星にはオゾン層がなく、強烈な紫外線が降り注いでいるということです。また、火星で発見された過塩素酸塩は強力な腐食性化合物で、生物にとって毒だという難問もあります
 
 火星の生物はこれらの問題を克服しなければならないのです。放射線については、地下に住むという方法があります。過塩素酸塩の筋はおそらく地下帯水層を示すものでしょう。そこならば放射線から逃れることができるかもしれません

火星の生物5  
しかし、これも確実な話ではない。実際、NASAは潮解によって大気から水分が引っ張られたという、過塩素酸塩形成の別の可能性ついても指摘しています。すぐに再蒸発してしまうような大気から集められた塩水の中で暮らす生物など想像しにくいのです

 ところが、チリのアタカマ砂漠という地球上で最も乾燥し、紫外線が強い環境では、塩の結晶に付着した水分の膜の中で生きる生物が発見されています。この水分の膜は潮解によって形成されたものだとされています

火星の生物6
チリのアタカマ砂漠で発見された塩結晶で成長する微生物

 しかし、おそらく宇宙生物学者が火星での水の発見を鵜呑みにしない最大の理由は、過塩素酸塩自体にあります。これは「水分活性」が非常に低いのです。つまり、その中の水分を生命が利用するのは簡単ではないのです。これに加えて、ほとんどの生命にとって毒であるのだから困ったものです

 それでも地球上には有毒な環境に適応した生物の事例があります。腐食性の酸性鉱山排水とヒ素の湖に生きる微生物がいるのです。また、北極には水銀汚染に適応した微生物がいます。過塩素酸塩を分解できるかもしれない微生物酵素の証拠すらあります

 過塩素酸塩を別にすれば、他の点では火星は生命にとって優しい環境かもしれないのです。火星探査機フェニックスが北極付近の土壌内で薄い水の膜を発見していますが、ここも生命発見の有望な環境です。さらに地下深くなら放射線の脅威からも逃れられるうえに、火星内部の熱によって水が液体のまま長期間保たれている可能性もあります

火星の生物7
有害な廃液で満たされたバークレーピットの元銅鉱山。ここにも独自の微生物の生態系が存在する

 火星に液体の水が存在する証拠は、すぐさま火星に生命が存在する可能性を示しているわけではないですが、具体的な希望を抱くことはできます。水のある場所には生命が期待できます。その特徴については、実際に発見されるまで確かなことは言えないですが、そのためのミッションが開始されるのはもう間もなくです。「化学物質の化石」など、生命の証拠を採取する探査機の火星打ち上げは2020年に予定されています

gizmodoより

2015年10月13日
カラパイアより

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