天の川銀河のバルジの円盤構造

Posted by moonrainbow on 11.2015 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河のバルジに、若い星からできた円盤構造

発見された若いケフェイドの位置(赤い点)とわたしたちの太陽の位置
発見された若いケフェイドの位置(赤い点)とわたしたちの太陽の位置(黄色い星マーク)(提供:ESO/Microsoft WorldWide Telescope) .

ヨーロッパ南天天文台の望遠鏡「VISTA」による天の川銀河の観測で、これまで知られていなかった円盤状に集まる若い星が発見されました。銀河中心のバルジに存在する厚い塵の雲に隠されていたのだが、赤外線で塵を見通すことによって見つかったものです

「VVV(Vista Variables in the Vía Láctea)」は、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のパラナル観測所にある可視光線・赤外線望遠鏡VISTAを使って天の川銀河の中心部を赤外線で観測するサーベイで、変光星や星団など多くの新天体が発見されています

チリのカトリカ・デ・チリ大学のIstvan Dékányさんが率いる研究チームでは、VVVサーベイによる2010年から2014年のデータを使って、これまで知られていなかった天の川銀河の構成要素と言える若い星の集まりを発見しました。

研究ではまず、655個の「ケフェイド(セファイドなどとも言う)」と呼ばれるタイプの変光星候補が発見されました。ケフェイドは周期的に膨張・収縮して数日から数か月のサイクルで明るさが変化し、その周期と真の明るさに一定の関係がある(明るいものほど長い)ことが知られており、真の明るさと見かけの明るさを比べることで距離を正確に推定することができます。

また、ケフェイドには2種類あり、一方は他方よりもはるかに若いのです。脈動周期が星の年齢と密接に関係していることから、655個のうち35個が若い「古典的ケフェイド」で、しかも1億歳以下であることが明らかになりました。「最も若いものは約2500万歳ほどかもしれません」(アンドレス・ベジョ大学 Dante Minnitiさん)。

この若さは、天の川銀河の中心で少なくともここ1億年間に新しい星が継続的に生まれていたことを示します、確固たる証拠と言えます

さらに研究チームではケフェイドの分布図を作成することにより、“バルジに存在する若い星からできた薄い円盤”という、これまで天の川銀河で知られていなかった構造を明らかにしました。従来のサーベイは厚い塵の中に埋もれていたために見つかっていなかったが、VISTAの赤外線波長における広視野・高解像度撮像能力のおかげで若い星の存在が明らかにできたのです

VVVサーベイによって発見されるまでまったく知られていなかった若い星たちが、果たして現在存在している場所で生まれたのか、それとももっと離れた場所で生まれたのか、今後調べる必要があります。星たちの基本的な特徴や進化などを理解することは、天の川銀河の進化の過程などを知るための重要な鍵となるからです

VISTA finds hidden feature of Milky Way



2015年11月4日
Astro Artsより

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