天の川銀河の中心分子雲帯の謎

Posted by moonrainbow on 11.2016 天の川   0 comments   0 trackback
謎多き天の川銀河の中心分子雲帯に迫る(CfA

中心分子雲帯
中心分子雲帯。赤は濃いガス、緑は暖かい塵、青は冷たい塵の分布を示している。(提供:C. Battersby) .

天の川銀河の中心「いて座A*」の周囲には、700光年ほどの長さに伸びた「中心分子雲帯」と呼ばれる領域があります。そこには、太陽質量の数千万倍に相当する濃いガスが含まれていますが、新しい星は誕生せず、謎多き領域となっています

天の川銀河の中心には、太陽の4百万倍の質量を持つブラックホールが存在しています。その周囲には差し渡し8光年のドーナツ状構造があり、さらにその周りに、700光年ほどの長さに伸びた「中心分子雲帯(Central Molecular Zone; CMZ)」と呼ばれる領域があります

CMZには銀河全体のほぼ8割(太陽質量の数千万倍)に相当する濃いガスが含まれており、巨大な分子雲や明るい星を作る星団などが見られます。しかし、通常であれば新しい星が作られるはずの濃い分子雲が不気味なほど不毛であることや、秒速数百kmという超音速で移動するガスが存在することなど、CMZには謎が多いのです

CMZはどこから来たのだろうか。他の銀河内になら似たような領域が存在するかもしれないが、天の川銀河内には似たような領域はどこにもないのです。また、分子ガスの動きに対して構造はどのようにして保たれており、動きは構造の進化をどのように制御しているのでしょうか

米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのCara Battersbyさんらの研究チームは、豪・モプラ電波望遠鏡を使って、CMZ中に存在するイソシアン酸(HNCO)など3種類の星間分子を調べました。これらの星間分子によって、衝撃波を受けたガスから静止している物質に至るまで、CMZ中の物質の状態を広範囲に調べることができるからです

その結果、以前の研究成果と同様、(理由はわかっていないが)CMZはブラックホールを中心に集中しているのではなく、むしろ中心からずれていることがわかりました。また、ガスの速度が至るところで超音速であることも確認されたのです。CMZを横切るような2つの大きな物質の流れも確認され、銀河の渦状腕のようなものかもしれないことが示唆されています

さらに、CMZ内ですでに知られていた、超新星爆発の結果であると考えられてきた殼のような単一の領域が、実は互いに物理的に無関係な複数の領域である可能性も示されたのです。巨大な雲は独立したものと思われていましたが、実はスケールの大きな流れが拡がったものだというのです

今回の成果は、銀河の複雑な環境を明らかにする第一段階となるものです。研究者たちは今後より大規模にCMZのガスの動きを調べ、コンピュータシミュレーションで動きをモデル化する予定です

2016年3月3日
Astro Artsより

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