アカエイ星雲の中心星「SAO 244567」

Posted by moonrainbow on 21.2016 星雲   0 comments   0 trackback
瞬く間に生まれ変わったアカエイ星雲の中心星

アカエイ星雲
アカエイ星雲(提供:NASA, ESA/Hubble)

惑星状星雲の中心で輝く星の表面温度が下がっている様子が観測されました。過去には温度上昇も見られており、両方の温度変化がとらえられた初の例となります

宇宙で起こっているほとんどのプロセスの時間スケールは人の寿命に比べてあまりに長く、その変化を観測するのは難しい。しかし例外的に、ほんの数十年で星の進化の様子をリアルタイムに見せてくれる天体もあります

地球から2700光年彼方に位置する、さいだん座の「アカエイ星雲」は、中心星SAO 244567が放出した物質が星のエネルギーを受けて光っているものです。その中心星の表面温度は、1971年から2002年の間に摂氏4万度ほどまで急上昇し、それまでの約2倍にまで達しました。そしてハッブル宇宙望遠鏡(HST)による最新の観測では、星の表面温度が下がりつつあること、さらに星の膨張が始まっていることが示されています

物質を放出する前にこの星の質量が太陽の3~4倍あったなら、急激な温度上昇の説明もつくのですが、観測データによればこの星の元の質量は太陽ほどしかなかったはずだというのです。こうした低質量星は、はるかに長い時間をかけて進化するのが普通であり、数十年単位での温度の急上昇は謎です

HSTによる観測を行った英・レスター大学のNicole Reindlさんたちは、SAO 244567のような低質量星で温度の急上昇が起こるのは、星の核の外側にあるヘリウムが燃える「ヘリウム・シェル・フラッシュ」現象によるものだと考えています。この説によれば、中心星は膨張して温度が下がり、星の進化過程の前段階に戻るだろうということです。そして、まさにその状態が今回観測で確認されたことになります。「フラッシュによる核エネルギーの放出で、コンパクトな星が再び巨星サイズまで膨張します。星の再生シナリオです」(Reindlさん)。

SAO 244567は温度上昇と低下の両方が観測された初の例です。しかし、現在の星の進化モデルではSAO 244567のふるまいを完全には説明できないのです。「計算を修正すれば、星そのものや惑星状星雲の中心星の進化について、より深い知見が得られるかもしれません」(Reindlさん)。

Evolution of SAO 244567


SAO 244567の温度変化と大きさの変化。右のバーは時間経過(約1万2000年前から500年後まで)、左端は表面温度、その右は星の大きさ(太陽に対する倍率)を表す(提供:ESA/Hubble, L. Calçada)

2016年9月16日
Astro Artsより

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