ブーメラン星雲の謎

Posted by moonrainbow on 26.2017 星雲   0 comments   0 trackback
宇宙で最も低温の天体の原始惑星状星雲「ブーメラン星雲」

ブーメラン星雲
ブーメラン星雲。ハッブル宇宙望遠鏡で観測した星雲の広がり(紫色)と、アルマ望遠鏡で観測した一酸化炭素ガスの広がり(オレンジ)がとらえられている。極低温のガス流はこの画像の範囲の外にも大きく広がっている(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); NASA/ESA Hubble; NRAO/AUI/NSF)

宇宙で最も低温の天体とされるブーメラン星雲の謎が、アルマ望遠鏡の観測によって解き明かされました。

ケンタウルス座の方向5000光年彼方の原始惑星状星雲「ブーメラン星雲」は、太陽の数倍重い赤色巨星が一生を終えた後に周囲に作られた天体です。星を作っていたガスが宇宙空間に広がり、そのガスが中心に残された高温の白色矮星に照らされて光るのが惑星状星雲ですが、ブーメラン星雲はその過程の最初期にあたります

ブーメラン星雲は宇宙で最も低温の天体であることが知られています。星雲が1995年に初めて観測された際、絶対温度2.7度で宇宙を満たしている宇宙マイクロ波背景放射の電波を星雲が吸収していることがわかりました。この電波を吸収できるということは、ブーメラン星雲の温度がこれより低いということを意味しています。しかし、なぜこれほど冷たい天体でいられるのかは長年の謎でした

NASAジェット推進研究所のRaghvendra Sahaiさんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を使ってブーメラン星雲を観測し、ブーメラン星雲の中心部の様子をはっきりと描き出しました。そして、星雲のガス流の広がりや年齢、質量、運動エネルギーを正確に見積もるための手がかりを得ました

アルマ望遠鏡の新しいデータは、重い赤色巨星の外層のほとんどが猛烈なスピードで宇宙空間に飛び出したことを示しています。中心星の両極方向に伸びたガスの広がりは、差し渡し3兆km(太陽から海王星の700倍程度)以上にも伸びている。また、極低温の星雲は両極方向に伸びたガスよりもさらに10倍以上外側の範囲まで広がっています

こうした複雑な構造は、星雲を作った元の星が連星系を成していたことに関係があるとみられ、研究チームでは次のような形成シナリオを推測しています。まず、年老いて膨らんだ連星の主星に伴星が飛び込み、主星のガスが一気に放出されて高速で広がる星雲を作り出します。主星の外層の中を進む伴星は周囲から摩擦を受けるため、どんどん主星の中心に近づいていき、やがて主星の中心部と合体します。この時に、連星系を取り巻くガスの円盤が作られ、両極方向に細く伸びるガス流が噴き出したと考えられます

アルマ望遠鏡で見えた細長いガス流は、この最後の過程をとらえたものでしょう。低温のガス流は単独の星が放出できるものよりも10倍も速い速度で膨らんでおり、絶対温度0.5度以下という極低温が実現したと考えられます。「たくさんの物質をこれほどの速度で噴き出させるためには、1つの星のエネルギーでは足りず、2つの星の重力エネルギーを使うしかありません。このように考えれば、謎に満ちた極低温ガス流の成因を説明できるのです」(Sahaiさん)

こうしたメカニズムで宇宙最低温の天体となったブーメラン星雲ですが、その温度はゆっくりと上昇しています。極低温天体は宇宙にはありふれているのかもしれないが、冷たい温度でいられる期間はごくわずかのようです。

2017年6月12日
AstroArtsより

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