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りゅうこつ座エータ星の大増光の謎

Posted by moonrainbow on 27.2018 ニュース   0 comments   0 trackback
アウトバーストから生き残ったりゅうこつ座エータ星(HubbleSite

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、りゅうこつ座η星
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、りゅうこつ座η星(提供:Nathan Smith and NASA)

りゅうこつ座エータ星は約170年前に、超新星爆発に匹敵するほどのエネルギーを放出して明るくなろました。この突発的な大増光は3つの星による複雑な進化の結果として引き起こされたのかもしれないのです

地球から約7500光年彼方に位置する「りゅうこつ座η(エータ、イータ)星」は、天の川銀河の中で最も明るい星の一つです。太陽の数十倍の質量を持つ2つの星が連星をなしており、その明るさは太陽の数十万倍から数百万倍にも及びます

現在は4~6等級ほどの明るさのりゅうこつ座η星は、1840年前後に突発的な大増光を起こし、当時全天で2番目に明るく見える星として夜空に輝いていました。このとき、超新星爆発に匹敵するほどのエネルギーが放出されたとみられていますが、それにもかかわらず、りゅうこつ座η星は生き残っています。この増光のメカニズムについてはこれまで解明されていなかったのです

米・アリゾナ大学のNathan Smithさんたちの研究チームは、チリ・ラスカンパナス天文台のマゼラン望遠鏡とジェミニ南望遠鏡を使ってりゅうこつ座η星を観測しました。170年前に星から放たれた光のうち、星の周囲に広がった物質で反射し、長い経路を通ったために2000年代になってようやく地球に届いた「光エコー」を観測することにより、Smithさんたちは170年前の噴出で周囲の物質が時速3000万km以上で膨張したことを明らかにした。これは予想の20倍も速いものです

一連の現象を説明できるシナリオとしては、2つの星が合体したというものが考えられますが、Smithさんたちは「りゅうこつ座η星はもともと3重連星系だった」という説を提案しています

りゅうこつ座η星の進化シナリオ
りゅうこつ座η星の進化シナリオ(提供:NASA, ESA, and A. Feild (STScI))

最初、りゅうこつ座η星は、近接した2つの大質量星(A、B)と、そこから遠く離れた3つ目の星(C)とで構成された3重連星系でした。
近接した星のうちの重いほう(A)が年老いると膨張し、物質が軽いほう(B)へと流れていきます。
物質を得たB星は太陽の100倍ほどまで重くなり、非常に明るくなります。一方、A星は外層を失い、太陽の30倍ほどまで質量を減らす。同時に、重力的なつり合いが変わってしまうため、A星とB星との間隔が広がります。
軽くなったA星は、遠くにあったC星の軌道をゆがめる。これによってC星は連星系の内側へと入り込んできます。
C星と、太陽の100倍の質量を持つB星とが相互作用し、B星の周囲に円盤を形成します。
最終的にB星とC星が合体します。このときに発生した爆風で物質が高速で広がり、それ以前に放出されて周囲に存在していた物質と衝突することで、物質が加熱されて光り輝くようになります。これが170年前の突発増光として観測されたものです。また、合体によって作られた双極の構造が、現在りゅうこつ座η星の周りに見られるダンベル状の構造です。
現在もA星とB星は連星をなしており、A星がB星の外層を5.5年周期で通過するたびに衝撃波でX線を放射します。
観測や研究でりゅうこつ座η星の大増光を調べることで、大質量星の進化や死を理解するために重要となります、連星の複雑な相互作用に関する理解が進むことが期待されます


Animation Showing Scenario for Eta Carinae Outburst


りゅうこつ座η星の進化シナリオを示した動画(提供:NASA, ESA, and G. Bacon (STScI))

2018年8月9日
AstroArtsより

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