巨大な原始超銀河団、「宇宙の灯台」たるパルサーの姿
1/5「Kes 75」と呼ばれる超新星残骸を観測していた科学者たちが、これまで発見されたなかで最も若いパルサーを発見した。NASAのチャンドラX線観測衛星でこの星域を観測したところ、大量のX線放出が見つかった(写真の、紫色やピンク色に輝いている部分)。地球から見ておよそ500年前にここで恒星が爆発し、その残骸がパルサー(青い部分)の回転による「風」を受けて飛び散っていると天文学者たちは考えています。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA
ヨーロッパ南天天文台(ESO)は2018年10月17日(現地時間)、ある原始超銀河団の写真を公開しました。長くて大げさな名前に聞こえるかもしれないですが、この名がまさにふさわしい。このような超銀河団には、膨大な数の銀河が含まれている可能性があるのです。
なかでも「ハイペリオン」は、これまでに発見されたうちで最も古くて巨大な超銀河団です。およそ110億年前の宇宙の様子を伝えてくれる貴重な存在です。
およそ19,000光年離れた場所にある超新星残骸とパルサーを調べます。質量の大きな恒星が爆発すると、宇宙で最も密度の高い物質のひとつである中性子星が生まれることがあります。そして、こうした中性子星のうち、自転するものをパルサーと呼びます。
パルサーは一定の速度で自転しています。このため太陽系を飛ぶ宇宙船は、パルサーから規則正しく放たれる光や電波などを距離標として利用し、宇宙のどのあたりにいるのかを正確に把握できます。つまり、パルサーは宇宙の灯台のようなものなのです。
この星域を観測していた天文学者たちが、大規模な磁気活動を発見しました。彼らは米航空宇宙局(NASA)の「チャンドラX線観測衛星」を使って、このパルサーを撮影することができました。確認された超新星物質の元になった恒星は、地球から見ておよそ500年前に爆発したと考えられます。このような物質を調べることで、科学者たちは星の一生についてさらに理解を深め、星が死んでから長い年月の間に何が起こるのかを知ることができるのです。
2018年11月4日
WIRED.jpより