FC2ブログ

隠れていた地球の「衛星(コーディレフスキー雲)」を新たに2つ観測

Posted by moonrainbow on 09.2018 衛星   0 comments   0 trackback
月とは別に地球を周回するラグランジュ点に新たな天体(コーディレフスキー雲)を確認

地球、月、太陽の位置関係を示すイラスト
ちりでできたコーディレフスキー雲の1つと、地球、月、太陽の位置関係を示すイラスト(原寸には比例していない)。(ILLUSTRATION BY GABOR HORVATH)

 地球の周りを回る天体は、月だけではないのかもしれないのです。半世紀以上にわたる憶測と論争を経て、ハンガリーの天文学者と物理学者のチームが、地球を周回する2つの天体の存在をついに確認したと発表しました

 研究成果は、学術誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載されました。論文によると、地球から40万キロ余りという、月までの距離と同じくらいの位置に潜んでいた謎めいた天体を、研究チームは苦心の末にとらえたとのことです。天体は2つとも、すべてちりでできています

近いけれど見えない

 こうした天体の存在はずいぶん前から予想されていたが、実際にちりの雲が見つかったと初めて報告されたのは1961年のことです。天体の名前の由来となったポーランドの天文学者、カジミェシュ・コルディレフスキがそのかすかな姿を目にしたと発表しました。しかし、その後も雲の存在は疑問視されていたのです

「2つあるコーディレフスキー雲は、最も見つけにくい天体に数えられます。地球までの距離は月と変わらないにもかかわらず、天文学の研究者たちからほぼ見過ごされています」。ハンガリー、エトベシュ・ロラーンド大学の天文学者で、論文の共著者であるユディット・シュリズ=バロッグ氏はこう話す。「月だけでなく、ちりでできた“衛星”も私たちの惑星の周りを回っていると確認できたことに、とても好奇心をかき立てられます」

 新たな研究成果によれば、コーディレフスキー雲の見かけの大きさは、夜空に見える月を30個×20個並べたのに相当します。宇宙での実際の大きさは約10万4600キロ×7万2400キロで、地球の直径の9倍に近いのです

コーディレフスキー雲
ラグランジュ点5(白い点)周辺の偏光が、ちりから成るコーディレフスキー雲の存在を明らかにするのに役立った。(IMAGE BY J. SLÍZ-BALOGH)

 雲自体は巨大ですが、それを構成する個々の粒子は直径1マイクロメートルほどと推定されています。こうした粒子に太陽の光が反射してかすかな光を放ちますが、光が極めて弱いため、今までは宇宙の暗闇の中に隠されたままだったのです

「銀河や星の光などがある中でコーディレフスキー雲を検出するのは至難の業です」と話すのは、同じくエトベシュ・ロラーンド大学の物理学者で、論文共著者のガーボル・ホルバート氏です。そこで、研究チームはカメラに特殊な偏光フィルターを使い、雲の中の粒子一つ一つに反射している散乱光を何とかとらえました

地球の周りの安定したポイント

ラグランジュ点
地球と月の周りのラグランジュ点。L4とL5の位置に塵の雲が存在する可能性が指摘されています。

 地球の衛星が月以外にもある可能性は、何世代も前から天文学者たちが示唆しています。地球の周囲の軌道には安定した特別な点が5つあり、そこで「月」が見つかるかもしれないと研究チームは考えたのです

 これら軌道上のスイートスポットはラグランジュ点と呼ばれます。この点では天体が、地球からも月からも一定の距離を保ったまま、比較的安定した位置にとらえられた状態となります

スーパームーン
米オハイオ州、ルベック・タワーのうしろからのぼるスーパームーン。(PHOTOGRAPH BY ADAM CAIRNS, THE COLUMBUS DISPATCH, ASSOCIATED PRESS)

 1950年代、固体の月を探し出せないかと考えたコルディレフスキはまず、5カ所のうちL4とL5の2つを観測しました。その結果、固体ではなかったが発見がありました。ちりの雲が地球を周回しているというヒントが初めて得られたのです

 ただし、コーディレフスキー雲の粒子は絶えず入れ替わっているため、太古からあるものの、常に変化する天体となっています。ちりの粒子は、地球か月のいずれかにわずかに引っ張られて抜け出したり、惑星間塵のあらゆる源から雲の中に引き込まれたりします。ペルセウス座流星群のような毎年の天文イベントもそうした源の1つです。したがって、粒子自体は天文学的な時間でいえば雲に長くとどまりはしないかもしれないのですが、雲は地球や月が誕生した時から自然とそこに定着していた可能性があります

宇宙の雑草のかたまり

 偶発的にできたこれらの雲は、宇宙空間の雑草のかたまりのようにも思えます。これが将来の宇宙探査にとって、かなり重要かもしれません

 例えば宇宙ミッションの中には、ラグランジュ点に人工衛星を置いておくという計画があります。数年以内に打ち上げが予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡もそうです。2020年代のどこかの時点で、ラグランジュ点L2に展開することになっている。ホルバート氏によれば、各国の宇宙機関は火星へ向かうミッションにおいて、いわゆる惑星間スーパーハイウェーの中継所としてラグランジュ点を使う計画も打ち出しているとのことです

「コーディレフスキー雲の調査は、宇宙航行の安全性という観点から、最も重要になってくるかもしれません」と、ホルバート氏は続けています

 そして、仮にホルバート氏とシュリズ=バロッグ氏の仮説が正しいとすると、地球にしたがってさまようちりの雲はまだ他にもあり、近くのラグランジュ点で発見を待っているだけなのかもしれないのです

灯台の背後からのぼる赤い満月

月の錯視
不思議な形の月が、赤色からやがて金色へ。「月の錯視」とも呼ばれる美しい「月のイリュージョン」です。(PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI)

2018.11.08
ナショジオより

  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://earth38moon.blog115.fc2.com/tb.php/8937-d681189a

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード