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火星に住めるかもしれない「シリカエアロゲル」

Posted by moonrainbow on 27.2019 火星   0 comments   0 trackback
火星に住みたい?ならば、ある物質で覆い地球大気の温室効果を模倣すればよい。という研究(米・英共同研究)

火星を人が住める

火星を人が住めるような環境に変えてしまうというのは、昔から描かれてきた夢

 このSFの話を現実に持ち出したのは、アメリカの天文学者カール・セーガンが初めです。1971年に彼は、火星の北極の氷を溶かして炭酸ガスを発生させ、その温室効果で温暖な気候を作り出そうという、「惑星エンジニアリング」を提唱しました

 このアイデアは多くの研究者や未来学者をいたく刺激しました。だがよくわからなかったのは、はたして火星に地球と同等の気圧を作り出せるくらいの温室効果ガスと水が存在するか? ということでした

 2018年、NASAから助成を受けた米コロラド大学ボルダー校とノーザンアリゾナ大学の研究者によって、火星で利用可能な資源をすべて使ったとしても、気圧は地球の7パーセント程度にしかならないことが発表されました

 つまり、このやり方では火星を人が住める場所にはできないわけです。研究者らは新たなる方法を考え出しました。ある物質を使って火星の大気の状態を地球に近づければよいと
 
シリカエアロゲルで火星の空を覆うという発想

 いったんは終わったかのように見えた火星移住への道ですが、その夢を再び蘇らせるような今回の研究は、米ハーバード大学、NASAジェット推進研究所、英エディンバラ大学の研究者が考え出したアイディアです

 シリカエアロゲル(ゲル中に含まれる溶媒を超臨界乾燥により気体に置換した多孔性の物質、断熱素材として使用される)を使って地球大気の温室効果を模倣すれば、地域的になら火星を居住可能にできるかもしれないというのです。 

 モデルを使った実験の結果からは、厚さ2、3センチのシリカエアロゲルの天幕を張れば、植物が光合成できるだけの光を取り込みつつ、有害な紫外線は遮断し、しかも水の融点を超えるくらいまでその下の気温を上げられることが確認されました。 

 「地域的アプローチならば、火星全体の大気を改変するよりもずっと実現性が高いでしょう」とハーバード大学のロビン・ワーズワース准教授は話しています。しかも従来のアイデアとは違い、既存の素材と技術を使って実験できるという利点もあるという事です

 「火星は地球に次いで太陽系で一番居住可能な惑星ですが、それでもほとんどの生命にとっては過酷な世界です。人が住める小さな区域を作り出すやり方ならば、制御可能かつ拡張可能な手段で火星をトランスフォームさせることができます」とNASAジェット推進研究所のローラ・ケルバー氏は説明しています

火星を人が住める1
GooKingSword from Pixaba

火星の氷の下の自然現象がヒント

 ヒントになったのは、火星で起きているある自然現象です

 地球の極地にある水でできた氷冠とは違い、火星のものは水と二酸化炭素でできています。凍った二酸化炭素は、気体のときと同様、日光を通過させるのですが、そのときに熱を蓄積します。そのために夏になると、その温室効果によって、火星の氷冠の下に部分的に暖かいところを出現させるのです

火星を人が住める2
SEAS

 研究チームはこの現象を模倣できる素材はないものかと考えた。それは熱伝導率が最小でありながら、光をできるだけ通すものでなければならないのです

 そしてたどり着いたのが史上最強の断熱素材の1つ、シリカエアロゲルです

「凍った煙」シリカエアロゲル

 その透明な見た目から「凍った煙」や「個体の煙」とも呼ばれることもあるシリカエアロゲルは、きわめて密度の低い個体で、90~98パーセントが空気で構成されています

 そのために光を通過させるが、それでいて相互に結合した二酸化ケイ素のナノレイヤーが放射線と干渉し、熱の伝導を大幅に低下させます

 「これならば、大量のエネルギーや面倒なメンテナンスなしで、長期的に区画を温めておくことができます」とケルバー氏はいう。

 火星の表面を模したモデルによる実験では、シリカエアロゲルを薄く張ることで、火星の中緯度の平均気温を地球に似た気温にまで上げられることが確認されました

 「大きな範囲を覆うために別の技術や物理がいるようなこともありません。ただシリカエアロゲルで地表を覆うだけで、その下の気温を水が液体でいられるくらいまで上げられます」とワーズワース准教授は話しています

火星を人が住める3
火星の北極 WikiImages from Pixabay

未来の火星にはドーム型居住区が並ぶ?

 ということは、火星の居住区はドーム型スタジアムのような感じになるということだろうか? なんとなくだが、未来の火星での生活がおぼろげながら見えてきた気がします

 今後研究チームは、シリカエアロゲルを南極やチリのドライバレーで実験してみる予定だそうです。そこは地球上でありながら、火星に似た気候の場所です

 なおワーズワース准教授は、火星を人間の住める惑星に変えることについて、惑星保護という哲学的・倫理的問題が生じるだろうとも指摘しています

 人間の都合で火星の環境を勝手に変えていいものか? という疑問だろう

 しかも万が一、火星にもともと生命が存在しているとすれば、この問題はいっそう複雑なものになるかもしれません
 
この研究は『Nature Astronomy』(7月15日付)で発表された

References:Silica aerogel could heat the surface of Mars enough to sustain life/ written by hiroching / edited by parumo

2019年07月19日
カラパイアより

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