FC2ブログ

110億年以上前の宇宙で39個の銀河を発見

Posted by moonrainbow on 18.2019 銀河   0 comments   0 trackback
初期宇宙の「見えない」銀河をアルマで多数発見

今回の観測された領域
HSTの画像とアルマ望遠鏡の画像
今回の観測された領域。左がHSTによる画像で、「1」から「4」までの位置に今回新たに見つかった巨大星形成銀河がある。右がアルマ望遠鏡で撮影されたそれぞれの銀河のサブミリ波画像(提供:東京大学/CEA/国立天文台

アルマ望遠鏡の観測により、星形成の活発な巨大銀河が110億年以上前の宇宙で39個発見されました。従来の銀河形成理論に再検討を迫る成果です

NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)は、初期宇宙に存在する誕生直後の銀河や星形成の活発な銀河を観測する上で中心的な役割を果たしています。しかし、HSTで観測できる光の波長は可視光線から近赤外線までの範囲に限られるため、どんな銀河でもHSTで撮影できるわけではないのです

たとえば、活発な星形成が起こっている銀河では、寿命の短い大質量星がたくさん生まれ、それらが超新星爆発を起こして死ぬというサイクルが繰り返されるため、終末期の星や超新星爆発から放出された塵が銀河の中に大量に含まれています。このような銀河では、星から出た光は塵に吸収され、暖められた塵から赤外線として再放射されるので、中間赤外線や遠赤外線と呼ばれる波長の長い赤外線でなければ銀河自体が「見えない」場合があります

さらに、こうした銀河が初期宇宙に存在していると、宇宙膨張によって光の波長が引き伸ばされるので、さらに波長の長い電磁波でないと見えない可能性があります。そのため、星形成の盛んな銀河を遠い過去の宇宙で見つけるためには、電波望遠鏡を使い、赤外線よりさらに波長の長いサブミリ波で観測する必要があるのです

東京大学・国立天文台のTao Wangさんたちの研究チームは、過去にHSTが「CANDELS」というサーベイ観測プロジェクトで撮影した領域に注目した。「CANDELS」は2010年から2013年にかけて、HSTが延べ4か月分もの撮影時間を費やして観測したHST史上最大の観測プロジェクトです。WangさんたちはCANDELSの撮影領域の中から、HSTの画像には写っておらず、NASAの赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の画像には写っている正体不明の天体を63個選び出し、アルマ望遠鏡で詳細な観測を行いました

その結果、63個の天体のうち39個でサブミリ波が検出されました。観測データから、この39個はいずれも星形成が活発に行われている巨大銀河で、約110億年前より昔の初期宇宙(赤方偏移zが3より大きな時代)に存在することが明らかになったのです

今回見つかった巨大星形成銀河の質量は太陽の数百億〜1000億倍で、天の川銀河とほぼ同じかやや小さい程度ですが、110億年前より昔の宇宙では巨大な銀河といえます。また、これらの銀河で起こっている星形成のスピードは天の川銀河の100倍に達することがわかりました

初期宇宙の巨大銀河の想像図
110億年以上過去の宇宙に存在する巨大銀河の想像図
今回見つかった初期宇宙の巨大銀河の想像図(図中の4つの大きな銀河)。大量の塵を含み、銀河の内部では爆発的に星が生み出されている。やがては巨大楕円銀河へと進化すると考えられる(提供:国立天文台)

今回見つかった巨大星形成銀河の数と観測領域の広さから計算すると、こうした銀河は天球上で1平方度(満月約5個分)当たりに約530個も存在することになります。過去には、今回の銀河よりさらに10倍も星形成率が高い「モンスター銀河」も発見されているが、今回の銀河の個数密度はこうしたモンスター銀河より100倍も高いのです。このことから、宇宙誕生から20億〜30億年後の時代に存在する巨大星形成銀河のほとんどは、実は可視光線や近赤外線では見えていないと考えられます

研究チームでは、今回見つかった初期宇宙の巨大銀河は現在の宇宙に存在する巨大楕円銀河の祖先ではないかと推定しています。巨大楕円銀河は銀河団の中心に存在していて、その質量は太陽の数兆倍にも及びます

こうした巨大銀河が110億年前より昔の宇宙にこれほどたくさん存在するという事実は、これまでの銀河形成や銀河進化の理論ではまったく予想されていなかったものです。現在広く受け入れられている、ダークマター(暗黒物質)によって宇宙の構造が形成されるというモデルでは、ビッグバンから20億〜30億年しか経っていない時代にこれほど多くの巨大天体を作ることはできないのです

「今回のアルマ望遠鏡の成果は、宇宙や銀河の進化に関する私たちの理解に挑戦状をたたきつけたといってもいいでしょう。銀河の進化を包括的に理解するためには、巨大楕円銀河の成り立ちを考えることが欠かせません。アルマ望遠鏡での更なる詳細観測に加え、近い将来に打ち上げが期待されるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や赤外線天文衛星『SPICA』でこの謎に挑みたいと考えています」(Wangさん)

2019年8月9日
AstroArtsより

  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://earth38moon.blog115.fc2.com/tb.php/9549-5557ea12

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード