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未知の素粒子を発見

Posted by moonrainbow on 26.2009 ミクロの世界   0 comments   0 trackback
未知の素粒子を発見、フェルミ研究所Brian Handwerk
for National Geographic News
March 20, 2009

 アメリカ、イリノイ州のフェルミ国立加速器研究所(通称、フェルミ研究所)でまったく新しい素粒子が発見されていたことが、先週(2009年3月初旬)明らかになった。この素粒子の存在はこれまでの予測の範囲外にあり、実験を行った研究者によれば素粒子の構成原理がすべて書き換えられる可能性があるという。

今回発見された粒子はY(4140)と命名された。素粒子の構成モデルは現在2種類あるが、Y(4140)はそのどちらにも当てはまらず、その構成要素すらわかっていない。

 従来の理論では、6つの種類(「フレーバー」)を持つクオークという基本粒子の組み合わせによって複数の素粒子が構成される。そのうち、中間子と呼ばれる素粒子は、クオーク1個と、その反粒子(反対の属性を持つ粒子)である反クオーク1個で構成される。また、バリオンと呼ばれる素粒子はクオーク3個から構成され、陽子や中性子などはこのバリオンに分類される。

 フロリダ大学のジャコボ・コニグスバーグ氏は次のように話す。「驚くべきことに、今回発見された粒子の存在は予測できなかった。従来の理論では、クオークや反クオークをどのように組み合わせてみても発見されたような粒子は構成できない」。

 素粒子物理学の研究者らは、2種類の素粒子を光に近い速度で互いに衝突させ、そこで生成される寿命の短い粒子を分類することで、物質を構成する究極的な要素を探っている。「大量の陽子と反陽子をごく限られたスペースの中で衝突させると、宇宙創生期に匹敵する膨大なエネルギーが放出される。われわれの実験はこの現象を利用したものだ」とコニグスバーグ氏は説明する。

 Y(4140)も、無数の陽子と反陽子を衝突させ、そこから得られたデータを解析していたときに検出されたものである。近年、素粒子の構成原理を揺るがすような発見がいくつもなされているが、今回の発見もその1つだ。

 欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で得られたデータを基に実験を行っているシラキュース大学のシェルドン・ストーン氏は、「素粒子の構成原理はわれわれが考えている以上に多様なのではないか。Y(4140)は、現在われわれが持つ知識では理解が及ばないまったく新しい種類の素粒子だと思う」と語る。

 またストーン氏は、今後Y(4140)の正体を解明しようという実験がさまざまな研究者によって行われることになるだろうし、そうすれば容易ではないにしてもY(4140)が実在する素粒子だということを実証できる可能性は十分にあると話す。

 ちなみにフェルミ研究所のロブ・ローザー氏によると、実験では何十億回も粒子を衝突させたが、検出されたY(4140)はわずか20個ほどだったという。だがフェルミ研究所では、素粒子の衝突実験のデータを今後数年間で3倍に増やす計画を進めており、より画期的な発見に期待が寄せられる。

 ローザー氏は、「Y(4140)の詳しい性質は今後明らかにされていくだろうが、それと同時に未知の素粒子が多数発見されることを期待している」と話す。
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高さが3階建ての建物に相当する素粒子検出器(フェルミ国立加速器研究所)。陽子と反陽子の高エネルギー衝突で生まれる“粒子”を検出する。

 2009年3月、これらの検出器によって得られたデータから、これまで存在が予測されていなかった未知の粒子が発見された。この粒子は、これまで知られているどのような素粒子の構成原理にも当てはまらない可能性があるという。
Image courtesy Fermilab

National Geographicより

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